Pocket

この記事の所要時間: 520

まえがき

そろそろお盆が近づいてきて、帰省の予定を立てている方も多いのではないでしょうか?
実家に帰省した際、仏壇の前に置かれていた「お盆提灯」がふと気になりました。お盆の時期になると飾っているのが当たり前のように感じていましたが、そもそもどういう意味があるものなのでしょうか?
お盆についてのマナーは複雑で聞きづらいことも多いので、お盆提灯を飾る理由や意味、種類、飾り方などをまとめました。

お盆提灯とは何か・お盆提灯を飾る理由は?

昔は、お盆に入るとご先祖様や故人の霊を家に迎えるために、迎え火・送り火として家の前で火を焚いて目印にしていました。
江戸時代になり、火を提灯に灯して飾ることで、迎え火・送り火とする風習がうまれたといわれています。
迎え火・送り火は、ご先祖様や故人の霊があの世とこの世を行き来するときに迷わないよう、目印として飾るものです。
また、感謝の気持ちを込めて供養するためのお供え物としての意味もあります。
絵柄の入ったお盆提灯はお供え物の中でも最高のおもてなしとされているので、親戚や兄弟、故人の知人から贈られることもあります。
最近では住環境の影響でたくさんの盆提灯を飾る家は減りましたが、以前はお盆提灯が多いほど、亡くなった方が慕われていた人物であるという意味もあったそうです。

お盆提灯の種類と選び方

家に飾るお盆提灯には、吊るすタイプと置くタイプがありますが、どちらもお盆提灯としての意味は同じです。どの宗派でもお盆提灯は飾るので、飾る場所や広さ、予算に合わせて好みのものを選ぶとよいでしょう。
最近は飾るスペースが限られている家が多いので、小さくて質が良いものも多く用意されています。
また、家に飾るタイプの他に、手に持つタイプのお盆提灯もあります。墓参りをした後に明かりを灯し、それを目印にご先祖様や故人の霊を家まで連れて帰るときに使います。

お盆提灯の飾り方


お盆提灯は、精霊棚か仏壇の前に飾ります。両脇に絵柄の入った盆提灯を一対、二対と飾るのが基本ですが、必ずしも対になっていなければならないという決まりはありません。
また、飾る数にも決まりはなく、地域によってはスペースがある場合はたくさんの盆提灯を飾る風習のところもあります。
新盆の時だけ使う白提灯は、軒先や窓際、仏壇の前などわかりやすいところに吊るすようにしましょう。白提灯はろうそくが灯せるタイプのものが多いですが、危険性を考えて電池式のろうそくにしたり、火をつけない使い方をお勧めします。

お盆提灯を初盆に飾る場合は白提灯にするのはなぜ?


故人が亡くなって四十九日を迎えた後、初めてのお盆を初盆(はつぼん)・新盆(にいぼん)と言います。
初盆のときは、絵柄の書かれたお盆提灯の他に、絵柄や色のない真っ白な白提灯を飾ります。
初めて帰ってくる故人の霊が迷わないための目印として飾るもので、軒先や窓際に吊るします。
白提灯にする理由は二つあり、一つは白が清浄・無垢の意味を持つため。もう一つは、白提灯に戒名や経文を書く地域があるためといわれています。
白提灯を用意するのはひとつだけで、初盆が終わったら処分するものなので身内が用意します。
白提灯の処分は送り火で燃やしたり、お寺や自宅でお焚き上げをしたりするのが一般的でしたが、最近は少し燃やして形だけお焚き上げとし、しっかり火を消した後に燃えるゴミとして処分するご家庭が多いようです。

お盆提灯はいつからいつまで飾る?地域ごとに差があるのは本当?

お盆提灯は迎え火・送り火の意味があるので、お盆の時期に合わせて飾ります。
旧暦の頃お盆は7月15日前後でしたが、新暦になってから農業の繁忙期を避けるために8月15日前後をお盆にする地域が増えました。
現在は年によって多少前後しますが、東京が7月13日から7月16日、その他の地域は8月13日から8月16日です。
お盆提灯は、お盆に該当する月の初めから飾ることが多く、遅くともお盆の前日には飾るようにします。
提灯を灯すのは、迎え火として13日の夕方から。送り火として16日の夕方から灯します。お盆の期間中は夕方から夜にかけて灯し、夜中は消すのが一般的です。
法事や行事を行う際は、昼間でも点灯させましょう。
片付けるのはお盆が明けた後なので、お盆に該当する月の17日以降です。

お盆提灯を飾るときの注意点は?

最近のお盆提灯は電気式か電池式のものが多いので、火を使うものに比べると長時間点灯しても安全性は高いです。しかし、電球が熱くなって火事になったり、触って火傷をしてしまう危険性はあるので、適宜スイッチは切るようにしましょう。
お盆提灯によっては絹や木材を使っているものがあります。虫食いの被害にあわないように、保管の際には防虫剤を入れると安心です。長年飾るものなので、火袋や部品についたほこりを除いて、丁寧に保管しましょう。

お盆提灯を贈る場合


お盆提灯はお世話になった人への供養と感謝の気持ちを表すものなので、故人の親戚でなくてもお盆提灯を贈ると喜ばれます。
相手先のお盆準備を考えると、早めの時期に届くようにした方がよいでしょう。
基本的には一対で贈るものですが、必ず一対でなければならないという決まりはありませんので、予算や飾るスペースに合わせて選んでください。
のし紙をかける場合、一般的には「御沸前」ですが、関西の一部の地域では「御供」と書く場合もあるので、購入時に相手先の地域を伝えて相談するのがおすすめです。

まとめ・感想・意見など

お盆提灯はご先祖様や故人の霊がお盆に帰ってくるための目印、そして、感謝を込めたお供えものでもあります。
点灯をせずに飾る期間を含めると、お盆前から半月以上飾るものなので、家のインテリアや好みに合わせて素敵なものを選んでください。
私のようにお盆提灯の存在は知っていても、飾る理由や意味、飾り方を知っている人は減ってきたのではないでしょうか。
日本には様々の風習や行事がありますが、核家族化にともなって詳しい人があまり周りにいない環境になったのではないかと思います。お盆は親戚が集まってご先祖様や故人を供養する大切な日本の行事です。
お盆提灯の知識をきっかけに、自分の地域や家でどういうお盆行事が行われているかを気にしてみると面白いかもしれません。

ライターネーム:ANZU