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通夜や告別式に参列する際、故人の霊前に供える「香典(こうでん)」。故人との関係性の他、自身の立場や年齢によって金額が異なるため、いくら準備すればいいのか悩んでしまうことも多いですよね。以前相手から頂いた金額も目安になりますが、単純に同額を渡せばよいというわけでもありません。

そこで本記事では、20代~40代の方が参列する機会が多いお葬式での香典の相場を紹介していきます。突然の訃報にも慌てずに済むよう、各ケースについて学んでいきましょう。

「香典」とは?

なぜ故人に金銭を供えるのか。それは、香典が「線香や花に代わる故人へのお供え物」であると同時に「葬儀という急な出費が必要になった遺族への金銭的援助」だからです。

そのため、香典は1日目に行われる通夜、もしくは2日目に行われる葬式・告別式でお渡しします。両日とも参列する場合は通夜に持参するのが一般的ですが、訃報を受けてすぐに相手宅を訪れる場合に渡したのでは、いかにも事前に準備をしていたようで遺族の気持ちを損ねることもあります。そんな時や準備が間に合わなかった際は葬式・告別式でお渡しすれば失礼にはあたりません。

香典袋の書き方


最近は量販店でも手に入る、市販の香典袋を使用することが一般的になりました。おおむね5,000円以下の場合は、水引が印刷された略式の袋で構いません。それより高額な場合は、直接お金を包む「中包み」、中包みを包む「外包み」、袋にかける帯紐である「水引」に分かれた袋を使用するといいでしょう。外包み上段には、その袋の目的を示す「表書き」を書きます。略式の袋の場合は、表面に外包みの内容、裏面に中包みの内容を記載します。ただし、名前は表面のみ書けば大丈夫です。

水引と表書きは宗教や宗派によって異なるため、事前に確認をしておくとスムーズに香典を準備できます。もしわからなくても、各宗教共通で使えるものを使用すれば大丈夫です。市販の香典袋を購入する際は、蓮の花が印刷されているものは仏式用なので避けてくださいね。

・外包み:上段に「表書き」、下段に自身の名前を書きます
*表書き:各宗教共通で使える「御霊前」の他、仏式では「御香典」、神式では「玉串料」等も使用します
・中包み:表側に漢数字で金額(金壱萬円(也))を、裏側に自身の住所と名前を書きます
・水引:各宗教共通で使える黒白や双銀の結び切りのものを選びます

文字を書く際は、「薄墨」の毛筆や筆ペンを使います。薄墨は通常より薄い墨で、故人への悲しみを表すといわれています。ただし、中包みは通常の黒いペンで書いても問題ありません。

ここで、中包みの書き方と包み方を動画でご紹介します。自由に包めばよいというわけではなく、決まった包み方があるので動画できちんと確認しましょう。

香典はどうやってお渡しするの?

香典を持参する場合、紺や紫、グレー等地味な色の袱紗(ふくさ)もしくは小さな風呂敷に香典袋を包みます。まず、ひし形になるように置いた袱紗や風呂敷の中央に香典袋を表向きに置いて包んでいきます。右側から順に下、上の角を折っていき、最後に左側を折ります。

受付では記帳を済ませた後、名前が相手から読める向きで差し出します。その際、「どうぞ御霊前にお供えください」と一言お悔やみの言葉を添えましょう。受付がない場合や遅れて参列する場合は、焼香の時に霊前に供えるか遺族に手渡します。

身内の場合の相場

20代

30代

40代以降

祖父母 1万円 1万~3万円 3万円~5万円
実父母・義父母 3万円~10万円 5万円~10万円 10万円
兄弟・姉妹 3万円~5万円 5万円 5万円
おじ・おば 5,000円~1万円 1万円~2万円 1万円~3万円
その他親戚 3,000円~1万円 3,000円~1万円 3,000円~2万円

自身が喪主を務めるのであれば、香典は不要です。故人が実父母の場合、独立して別々に暮らしている子供は出しますが、きょうだいで葬儀費用を分担して出費する際は香典は出さないこともあります。

祖父母や兄弟・姉妹では3万円前後、おじ・おばやその他の親戚では1万円前後が相場です。核家族化が進み、遠い親戚とは一度も会ったことすらないという人も多くなってきています。その場合は自身との関係性によって、上記の幅の範囲内で決めていいでしょう。

仕事の関係者(同僚・上司・部下など)の場合の相場

20代

30代

40代以降

上司 5,000円 5,000円~1万円 1万円
同僚・部下 5,000円 5,000円~1万円 5,000円~1万円
勤務先社員の家族 3,000円~5000円 3,000円~1万円 3,000円~1万円
取引先関係者 3,000円 5,000円 5,000円~1万円

自社の関係者については、個人で香典を出す場合と部署や有志の一同が連名で出す場合があります。個人的に出すのであれば、その他と同じく自身の立場や故人との関係性で決めます。しかし連名で出す場合の基準は会社によって違うため、一般的な相場ではなく自社のルールに従います。若手社員や転職してきた社員の方は、先輩や上司に確認してみるといいでしょう。

取引先関係者に対してお渡しするビジネス香典の場合、自社にとっての取引先の重要性や故人の役職によっては会社として代表者名で出すこともあるので、まずは上司に相談してみましょう。

友人、恩師、ご近所等の場合の相場

20代

30代

40代以降

友人・知人 5,000円 5,000円~1万円 5,000円~1万円
友人・知人の親 3,000円~5,000円 3,000円~1万円 3,000円~1万円
恩師・先生 3,000円~5,000円 3,000円~1万円 3,000円~1万円
隣・近所 3,000円 3,000円~5,000円 3,000円~1万円

友人・知人の親が亡くなった場合、友人・知人との交友歴や付き合いの深さ、親との面識の有無等を考慮して決めましょう。恩師や先生に対しては、学生時代にどれだけお世話になったかや卒業後の付き合いの程度で異なります。友人・知人関係や恩師のお葬式では、かつての仲間が一緒に参列することが多いので、数人で数千円ずつ出し合いキリの良い金額にすることもあります。

隣・近所の方への香典は、深い付き合いがなければ3,000円程度ですが、子供の頃から顔見知りで親しくしていた方等の場合は1万円程度となります。ただし、地域によって大きく異なるようですので、親族等に確認してみるとよいでしょう。

香典についての注意点

宗教・宗派の確認はしっかりと

 

仏式や神式だけではなく、キリスト教式等様々な形態があるお葬式。宗派によって微妙に異なる点もありややこしいですよね。香典の水引や表書きは事前に準備できるので慌てなくても済みますが、実際に遺族を前にして「御霊前」と「御仏前」を言い間違えたり、焼香の方法を間違えたりしては失礼です。突然の訃報で時間がないかもしれませんが、参列前には所作や使用する用語等は毎回確認するようにしましょう。

香典の金額に注意

香典で包む金額は5,000円~1万円等幅があるものも多いですが、奇数で始まるキリの良い額にするのがマナーです。まず、「死」や「苦」といった良くない言葉を連想させる4や9で始まる額は避けましょう。また偶数も「割り切れる」、つまり故人と現世の繋がりが切れてしまう意味でタブーとされています。

新札はNG

香典を新札で準備してはいけないと聞いたことがある人も多いでしょう。これは、急な葬儀にも関わらず事前に新札を準備していたという印象を与えてしまうからです。一方で、あまりにも汚れや折れが激しいお札では失礼にあたるので注意が必要です。もし手元に新札しかない場合は、一度折り目をつければ問題なく使用できるので安心してください。

まとめ

20代~40代の方が参列する機会が多いお葬式での香典について見るだけでも、しきたりやマナーの多さに驚くかもしれません。慣れないうちは煩わしく感じるこれらの習慣ですが、根底にあるのは「故人を送る気持ち」です。香典は、目には見えない故人への感謝や別れの気持ちを形として示す事ができるものなので、ルールをきちんと押さえて失礼のないように故人を送りたいですね。

 

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