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夏の季節を漂わせてくれるのが、暑さと共に訪れるセミですね。

実はこのセミ、

 

昆虫界の中では長寿であると言われています。

 

「そんなまさか」と思われた方は是非、この記事をお読みになってください。

きっとセミへの感じ方が、変わられることと思いますよ。

それでは、セミの世界へとご招待しましょう!

セミの寿命はどれくらい?

ではまず、セミの寿命はどの程度あるのでしょうか?

成虫、幼虫とご紹介しましょう。

セミの成虫の寿命

セミの成虫の寿命は1週間程度だという話は皆様もよく耳にされた事があるかと思いますが、
成虫の寿命は「平均して1ヶ月程度」だと言われています。

この「平均して1ヶ月程度」は、実は夏の暑い時期に成虫となって活動する昆虫の中では、ごく平均的な長さなのです。

春や秋などの時期に成虫となったセミは、
鳥や人間に捕まらなければ最長で2ヶ月程度生きている個体もいると言われています。

セミの幼虫の寿命

セミの幼虫は平均して、7年~8年間、土の中で生活します。

最も長く生きていられる限界は、18年にも及びます。

 

なぜセミは寿命が1週間だと言われているのか?

セミの寿命が1週間程度だといわれている理由について、
一覧にしてご紹介しましょう。

  セミの寿命が1週間だと感じられる主な理由
暑さに弱い 夏の風物詩とも言われているセミですが、実は暑さに弱いのです。

真夏の暑い時期に大きな音で鳴き続けるのは、さぞ体力を消耗することでしょう。

猛暑が続いてしまうと、1ヶ月もたたずに一生を終えてしまいます。

人口では育て辛い セミの生態を調べるには、捕獲して調べることになります。

ですが、セミの成虫はストレスに弱く、餌も自然に近い状態で与える必要があるため、飼育しても1週間程度しか生きていくことができません。

また、昆虫用のゼリーも食べることはありません。

外敵が多い カラスなどの鳥類、ムカデやゲジゲジなどの肉食性多足類が、主なセミの天敵です。

その他にも、夏休みなどを利用して、人に捕獲されストレスを感じてしまう場合があります。

夏の風物詩であるセミが暑さに弱いというのは、
どことなく不思議に思えてしまいますね。

17年生きる(寿命がかなり長い)セミがいるって本当?

北アメリカにいるセミの一種に、
中でも最も長寿な種類がいます。そちらをご紹介しましょう。

  長寿なセミ
ジュウサンネンゼミ 卵から成虫になるまで13年かかるセミのこと
ジュウシチネンゼミ 卵から成虫になるまで17年かかるセミのこと

 

こうしたセミののことを、「素数ゼミ」と言い、
ある地域で13年または17年という決まった周期で発生します。

しかしどうして、13年や17年という、
なんとも不思議な周期のセミがいるのでしょうか。

その秘密には「素数」と「最小公倍数」にあるようです。

素数とは、「1より大きい整数で、1とその数以外のどの自然数でも割り切れない」数のことを言います。
下記に表にしてまとめましたので、そちらをご覧ください。

  割り切れる自然数は? 素数かどうか
1より大きくないので、素数ではありません。
1,2 素数
1,3 素数
1,2,4 2で割り切れるので、素数ではありません。
1,5 素数
1,2,3,6 2と3で割り切れるので、素数ではありません。

 

では次に、「最小公倍数」についてご説明します。

最小公倍数とは、ある2つの数字をそれぞれ1倍、2倍、3倍とした際に、
必ず現れる共通の数字があります。

その共通した数字たちの中で、最も小さい数のことを「最小公倍数」と言います。

このように、セミが大量発生した時期を当てはめて計算を重ねた結果、
最小公倍数が最も大きくなったのが「13年」と「17年」という数字だったと言われています。

さて、この北アメリカに生息しているセミですが、その謎を解明したのは日本の生物学者、吉村 仁教授という方です。

ですので、北アメリカに生息しているセミにもかかわらず、日本名がつけられているのですね。

また、こうした周期で発生するのには、以下のような理由があると考えられています。

  セミが「13年」または「17年」という一定の周期で発生する理由
地球にセミが登場したのは、2億年以上も前のことです。その後、少しずつ進化を遂げて200万年前の氷河期時代に現在のような生態になったと言われています。
その頃には、すでに人類の祖先も現れており、氷河期の寒さは生き物たちにとって過酷な環境でした。気温が低くなればなるほど、地中のセミの成長スピードもどんどん遅くなっていき、この生態が10年以上もの長い時間を地中で暮らすことになった理由と考えられています。
寒さの厳しい氷河期でも、盆地や暖流のそばであまり気温の下がらない「避難所」のようなものがありました。しかし現代から考えますとまだまだ気温は圧倒的に低いので、北アメリカででは14年~18年、南アメリカでは12年~15年もの間、地中で過ごすようになりました。
先程お話した「避難所」は、主に北アメリカの方で多かったようです。

そこでセミは主に北アメリカへと移動し、交尾の相手を相手を探すようになりました。

避難所のような狭い範囲では、違う年に別々に羽化して子孫を残すよりも、同じ年に一斉に羽化して交尾、産卵を行う方が効率的と考えたのです。

 

2016年には、オハイオ州やペンシルパニア州などで17年ゼミが大量発生しました。

その数なんと数十億匹にのぼると言われ、2004年にニューヨーク付近でも同様の報告がされ、
次は2021年に同様の現象が起こるといわれています。

また、この周期のセミは13×17=221年に一度のタイミングで重なり、
その年はさらに大量のセミが発生すると考えられています。

セミは種類によって寿命は違うの?

それでは、こちらでは日本セミのついて詳しくご紹介しましょう。

世界には、約3000種類ものセミが確認されており、
日本ではそのうち30種類程度が確認されております。

その中でも、代表的と言われるセミは以下の5種類です。

 

セミの声(クマゼミ,ミンミンゼミ,アブラゼミ,ツクツクボウシ)

 

【癒し】森のせせらぎ、ヒグラシ、セミの鳴き声 自然音 2時間版

 

  日本で代表されるセミ
ヒグラシ 発生時期:6月下旬頃~

卵から成虫になるまでの期間は不明

 

鳴き声は高く、「キキキ」「ケケケ」「カナカナカナ」という様に聞こえます。

ヒグラシの他に、カナカナ蝉などとも呼ばれています。

主に朝と夕方に鳴いていることが多いです。

 

ほぼ全国の範囲で生息するセミで、広葉樹林や杉、ヒノキの林などで生活します。

北海道から九州北部では平地に主に見られますが、九州南部より南の方では、やや標高の高い山地に生息しています。

アブラゼミ 発生時期:6月の中旬以降~

卵から成虫になるまでの期間は3年~4年程度

 

泣き声が油を熱した際にはねる「ジリジリ」という音と泣き声が似ているため、この名前がつけられたと言われています。

日本全国に広く分布していますが、関東より西の大都市や北日本の一部では生息数が減少しており、東京都内や北陸地方では、その数が増加の傾向にあります。

ツクツクボウシ 発生時期:8月初旬~

卵から成虫になるまでの期間は1年~2年程度

 

特徴的な泣き声をもち、「ツクツクホーシ」「オーシンツク」と呼ばれることもあるようです。主に午後から鳴き始めます。

アブラゼミと比べて寒さに弱く、北日本ではシダレヤナギの並木などの極地的な地域でしか分布していませんでした。

しかし近年、盛岡や仙台においてその数は増加しつつあるようです。

ミンミンゼミ 発生時期:7月~9月上旬

卵から成虫になるまでの期間は2年~4年程度

 

名前の通り、「ミーンミンミンミンミー」という泣き声でよく知られています。

主に朝の早い時間からお昼前まで鳴いています。

北海道南部から西日本と広く分布しておりますが、西日本の都市部ではほとんど生息していないようで、やや標高が高い山地で生活しています。

クマゼミ 発生する時期:7月上旬~9月上旬

卵から成虫になるまでの期間は2年~5年程度

 

日本特産種の大型のセミで、主に午前中に鳴きます。

「シャシャシャ」「センセンセン」などの泣き声で鳴き、その前後には「ジー」という長い声を入れて鳴いています。

 

セミってどうゆう昆虫なのか?生態を解説!

セミの分類 カメムシ目(半翅目)・頸吻(けいふん)亜目・セミ上科(Cicadoidea)に分類される昆虫の総称で、「鳴く昆虫」の一つとしても知られています。

では、セミの生態とはどのようなものでしょうか。

はじまり セミの種類にもよりますが、7月~8月になると木の幹や枝などに口で穴を開けて、そこに卵を産みます。平均して、10個程度産むと言われています。

そのまま卵は越冬し、翌年の6月前後にふ化した後、土の中へと潜っていきます。

土の中で生活 幼虫の期間では樹液の「導管液」と呼ばれている「ほとんど水分でできている」ものを餌とします。この導管液には、微量のアミノ酸が含まれています。

このアミノ酸が含まれている導管液を数年に渡り摂取し続けることで、ゆっくりと脱皮を繰り返しながら長い年月をかけて育っていきます。

 

土の中でもモグラやハサミムシと言った外敵がおりますが、外に比べると圧倒的に安全と言えます。

 

また、養分の高いものを土の中で餌とした場合、そこで排泄をしてしまうと微生物などのばい菌が大量に繁殖してしまうため、あえて養分の少ないものを餌として選んでいるようです。

その後 その後木の下から、ゆっくり朝日とともに上へ上へと登っていき、すぐに成虫になろうと羽化します。こうした「さなぎの期間がなく、すぐに成虫になろうとする」ことを「不完全変態」と言います。

 

羽化してすぐのセミは、雌雄ともに子孫を残す体になるため、ある程度の日数を必要とします。

また、オスはすぐに鳴けるようになる訳ではなく、数日間は小さな声でしか鳴けません。

 

そうして成虫したセミは「師管液」と呼ばれる、樹液の中で甘くて栄養の豊富なものを摂取し、その体を維持しようとします。

この師管液には、タンパク質や糖質、アミノ酸などが含まれています。

 

セミはメスと重なるように、ハート型になって交尾をします。

メスの交尾は生涯に一度だけで、オスは複数回の交尾を可能とします。

ですので、メスに巡りあえないオスの割合は、約37%と言われています。

 

その後、木の幹へと産卵を行うのですが、セミが卵を産んだあとは、木の表面がささくれ立つと言われています。

しかし、本来ザラザラした表面をもつ木から卵を見つけ出すのは、中々難しいようです。

そうして、セミはその一生を終えます。

 

セミの観察

 

また、不完全変態を行う昆虫は、セミの他にも以下のような昆虫がいます。

 

 

<不完全変態を行う昆虫>

カゲロウ、トンボ、バッタ、ハサミムシ、カメムシなど

 

セミはなぜ鳴くの?どうやって鳴いているのか?

セミはなぜ鳴くのか?

セミが鳴くのはオスで、メスは鳴きません。

つまり、オスのセミが自分の居場所を知らせる、「求愛行動」として鳴いているのです。

また、より大きな声で鳴いているオスに、メスは惹かれてやってきます。

たまに夜中に鳴いているセミがいますが、気温が高い日などで、セミが昼間と勘違いして鳴いているようです。

セミの鳴き声には、集中力アップや、快眠効果、リラックス作用もあるようですよ

どうやって鳴いているのか?

多くの昆虫は羽をこすって鳴きますが、セミはお腹で共鳴して鳴いています。

セミには羽をお腹でこすって鳴らす摩擦音のほかに、お腹に「共鳴室」という空気が入っている部分があります。

そこで鼓膜という筋肉を振動させることにより、大きな音が鳴る仕組みになっています。

また、お腹の近くにある弁を調節することにより、音の強弱や調子を変えています。

コオロギやスズムシの厳かな鳴き方とはまったく違うセミですが、このような仕組みをしていたのですね。

鳴き声が1番大きいセミの種類は?

名前 ブレヴィサナ・ブレヴィス
生息域 アフリカ
見た目 緑と赤、黒色の斑上の配色がされた美しいセミ
鳴き声の大きさ 120デシベル

 

救急車や消防車のサイレンと、同等の音圧です。

サイレンの音がすぐ近くで鳴っていると想像して頂ければ、音の大きさを感じられる事と思います。

なお、その日の環境(風が吹いている方向、雨が降っているかどうか)によって聞こえる範囲は広くなったり狭くなったりします。

障害 120デシベルの音ともなると、1日あたりに許容できるのは9秒程度だと考えられています。

この鳴き声を日常的に聴いていると、「騒音難聴」や「鼓膜炎」を起こしてしまう可能性があります。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今までセミを「儚い」と思われていた方も、少し印象が変わられた事と思います。

しかし、セミであれほかの昆虫であれ、精一杯生きている事には違いありません。

ですので、出来れば自然のままで、その姿を愛でられます事をオススメ致します。

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