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ゲリラ豪雨が発生する原因は?関東に多く発生するのはなぜ?

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まえがき

昨今夏になると必ず耳にする「ゲリラ豪雨」ですが、なぜ昨今増えてきているのでしょうか。今回は、そんな「ゲリラ豪雨」について原因や特徴、対策などについてもご紹介していきましょう!

ゲリラ豪雨が発生する原因は?関東に多く発生するのはなぜ?

夏を表す言葉として、すっかり定着してしまった「ゲリラ豪雨」ですが、「ゲリラ」とは一体どういったことを言い、また「ゲリラ豪雨」とはどういった気象現象をさすのでしょうか?

「ゲリラ」とは、正規軍でない小部隊で敵陣や後方に出没し、敵をかき乱すことを言います。突如発生して、私たちの生活をかき乱すという意味では、まさしくこの言葉が相応しいと言えるでしょう。

実はゲリラ豪雨とは正式な気象用語ではなく、気象庁では「局地的大雨」と呼んでいます。
このゲリラ豪雨が発生するのは、「夕立」と同じ現象です。
夏の強い日差しで暖められた空気が上昇して積乱雲(雲が山のように盛り上がった、雨や雷を伴う雲のこと)が生まれ、大粒の雨を降らせます。気温は地表から100m離れるごとに約0.6℃ずつ下がりますから、日が傾く夕方頃になると、日中に暖められた地表付近の空気と、上空の空気との温度差が大きくなりますので、より積乱雲が大きくなるのです。

身近なもので例えるなら、冬の寒い日に熱いお鍋を作ると、湯気がたくさん出ますよね。
その湯気が集まってできたものが、積乱雲です。
その温度差が大きければ大きいほど、大気(地球を取り巻く空気全体のこと)の状態は不安定になります。その不安定な大気によって積乱雲が発生し、ゲリラ豪雨となるのです。

では昨今、主に関東で多くのゲリラ豪雨が発生しているのはなぜでしょうか?
過去3年間、東日本でのゲリラ豪雨の発生回数は、増加傾向にあります。
その主なシーズンは8月中旬で、7~9月の期間の中ではその3割を占めているのです。

その理由として、関東には3つの特徴があります。
1.関東には広い関東平野がありますね。広い平野は太陽の熱をその全体に受けやすく、山などの遮るものがないため、暖められた空気も昇りやすくなります。

2.都市部も多いため、アスファルト、コンクリートなども多く、ビルからの排熱や、車により多くの熱が排出されます。

3.近くに東京湾、相模湾などの海があり、暖かい空気の中へ海から出る水蒸気が入りやすくなります。

これらの条件により、ゲリラ豪雨の原因となる積乱雲が発生しやすくなるという訳なのです。

ゲリラ豪雨の発生についてお話しましたが、ゲリラ豪雨とはどういった雨のことを言うのでしょうか。気象庁では、一つ一つ雨の降り方の特徴に、名前をつけています。

1.ゲリラ豪雨(局地的大雨)
先程お話した「局地的大雨」は、急に強く降り数十分の短い時間に狭い範囲で数十mm程度の量を降らせる雨のことで、「局地的な大雨」とも言います。
急な強い雨により河川や水路などが短い時間で増水するなど、急な状況変化で重大な事故を引き起こす可能性がります。

2.豪雨
著しい災害が発生した顕著な大雨現象のことをさします。
「豪雨」という言葉だけで使用せず、発生した地域の名前をつけて「○○豪雨」と呼びます。既に命名された現象もしくは、それに匹敵する現象と比較する際に用いられます。
命名の目安は、「浸水家屋10000棟」などとされています。

3.集中豪雨
同じような場所で数時間にわたり強く降り、100mmから数百mmの量を降らせる雨のことを言います。積乱雲が同じ場所で次々と発生・発達を繰り返すことで起き、重大な土砂災害や家屋浸水の災害を引き起こします。

このように、雨の降り方一つ一つに特徴をつけて、報道機関を通じて私たちのところへと情報が来るようになっています。それぞれの特徴を知っておくと、ニュースで耳にした際に外の様子が想像しやすいのではないでしょうか。

[ScienceNews] (14)局地的大雨を予測せよ!気象庁気象研究所の取り組み

ゲリラ豪雨の原因は一体何なの?

ゲリラ豪雨発生の主な原因としては、やはり「平均気温の上昇」があげられるようです。
では、平均気温が上昇する原因としては、どういったことを想像しますか?
平均気温上昇に隠された、その原因をご紹介します。

1.森林・水田・草地の減少
世界の森林面積は約40億ヘクタール(面積の単位、1ヘクタールは10000平方メートル)
で、全ての陸地の約31%を占めています。
1平方メートルは「辺の長さが1mの正方形の面積」とされていますので、その広さを想像するととても広いことが解りますね。

しかしこの森林が、2000年~2010年の間に年間1,300ヘクタールも失われ、今この瞬間も減少を続けています。森林があることによって地表にあたる太陽の熱も減少し、気温を下げてくれますが、森林が失われると、それだけ地表に太陽の熱があたる場所も増えてしまうのです。

2.冷えにくいコンクリート建造物が増えている
昔は草地や砂利の道が多かったですが、今は車の普及によりコンクリートの道がどんどん増えてきています。建造物やコンクリートの道が増えるのに際し、森林も多く伐採されます。

これらのことにより、地球全体での平均気温は上昇していると言われているのです。
こういった現象のことを「ヒートアイランド現象」と言います。

ゲリラ豪雨の対策について

ゲリラ豪雨について数々のお話をしてきましたが、実際にゲリラ豪雨にあってしまった時、どのようにすれば良いでしょうか。自分がどのような場所にいるかで考えてみましょう。

1.留まる
濁流などで外に出ることができない危険な場合や、夜間で周りの確認が充分にとれない場合、すぐに自分のいる場所が浸水する危険が無い場合は、その場に留まりましょう。
浸水や孤立の危険性があれば、すぐに救助を要請し救助隊を待ちます。
その際にはできるだけ高い場所へ移動するようにしましょう。

2.非難する
地下や高架下で自分が低い位置にいる場合、すぐに高いところや地上へ非難するようにしましょう。特に地下は階段などから大量の水が入ってくる場合もありますので、落雷の音を聞いた時など外の様子を確認するようにしましょう。

[検証!首都防災]局地的豪雨 水防対策の現場

また、夏の暑い時期で自分が川にいる場合も注意が必要です。
近くの山などに黒い積乱雲がある場合は、特に注意しましょう。今自分のいる場所に雨が降っていなくとも、山に降った大量の雨が川に流れ、濁流となる恐れがあります。
雨の量にもよりますが、川の増水も懸念されますので、すぐに川から出て上の方に登るようにしましょう。

まとめ

ゲリラ豪雨は時に、私たちの傍でその猛威を振るいます。
しかし、元をたどればその原因は、私たちの生活の変わりぶりにあるとも言えるでしょう。
急に自分たちの生活を変えることはできませんが、8月に主に使用されるエアコンなどを最新の物にしてみるなど、変えられる部分もあります。
古いものに比べ、新しいものは環境への配慮もされています。長い目で見て、少しでも環境への配慮ができる社会へとなっていくと良いですね。

浅葱 彰(あさぎ あきら)