国民の祝日

勤労感謝の日の由来や意味は?2018年はいつ?どんなイベントがあるの?

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まえがき

勤労感謝の日は会社がお休みの方も多いと思いますが、勤労感謝とはどのような事でしょうか。勤めている会社に、お世話になっている事を感謝する日でしょうか。
今回は、「勤労感謝の日」の始まりやその意味、また、行われているイベントや海外での「勤労感謝の日」についてご紹介します。

勤労感謝の日の由来や意味は?2018年はいつ?

「勤労」とは、賃金をもらって、一定の時間内に仕事をすることをさします。
しかし、「勤労感謝の日」として国民の祝日になるまでは、その意味合いは随分異なりました。

始まりは飛鳥時代(西暦538年~720年)、皇極(こうぎょく)天皇が日本を治めている中、「新嘗祭(にいなめさい・しんじょうさい)とよばれる五穀豊穣を祝う大切な祭りが行われていました。「新嘗」とは、秋に新しくとれた穀物を神に供えて、天皇みずからもそれを食べることを言います。
この時代の天皇は、日本神話により天照大神の子孫と信じられていました。つまり、神から国の実りをもたらす力を受け継がれているのだと、考えられていたのです。
ですから、天皇みずからも神に供えた穀物を食べることで、新しい力を得て、翌年の豊穣を約束する行事、つまり、収穫祭として行われていたのです。

また、新嘗祭同様に、神嘗祭(かんなめさい)というものも存在します。この神嘗祭は、新嘗祭よりも1ヶ月早くに行われます。
新嘗祭は神に供えたものを食し、新たな力を得ることを祝う行事ですが、供えた物が急にその力を得る訳ではありません。ですので、神嘗祭というお祭りを開き、1ヶ月の間神に供えることで、その穀物に力が蓄えられると信じられていたのです。

では、どうしてそのような収穫祭が「勤労感謝の日」と変わってしまったのでしょうか。

2018年の勤労感謝の日は、11月23日(金曜日)です。

この11月23日と決められたのは1873年(明治6年)のことで、この年より旧暦から新暦(現在の暦)へと変更されました。このことにも意味があり、旧暦時代、冬至(1年中で太陽が最も南に寄り、昼が最も短い日)は必ず11月にありました。
冬至は「太陽が一番衰える日、そして再び力を取り戻し始める日」と考えられており、太陽は天照大神のことをさします。その子孫であるとされる天皇が新しい力を得るには、この日が良いとされていたのです。

その後、日本は太平洋戦争(1941年12月8日~1945年8月15日)を敗北し、GHQ(連合国軍司令部)の占領下になります。GHQは、国というものは民主主義(人民が自らの手で自由と平等を保障する思想)で動かしていくものだと考えており、天皇主体や神道(日本の民俗信仰)の考え方を、徹底的に否定してきました。また、国民が天皇を祝う祭りを行うことで結束力が増し、反抗してくる事を危惧していました。

このことにより、「新嘗祭」から名前を変え、1948年(昭和23年)に「勤労感謝の日」となったのです。また、その意味についても「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」というようになりました。サンフランシスコ講和条約が結ばれ、日本が独立した後にもその意味は、変わっていません。

勤労感謝の日にはどんなイベントをやっているの?

勤労感謝の日には、各所で様々なイベントが催されています。
三重県にある伊勢神宮や、島根県にある出雲大社などでは、毎年かつての「神嘗祭」と「新嘗祭」を再現しているとされる神事が執り行われます。大変混雑しますので、参加される際は時間に余裕をもって行くようにしましょう。

伊勢神宮】神嘗祭 ‐新穀をささげる‐ ISE-JINGU
https://youtu.be/PDm8kVxYaYw

茨城県の春日神社では、「青沼どぶろく祭」という濁り酒を神前に供え、参拝者に振舞うお祭りが催されます。春日神社は関東地方で唯一、濁り酒の醸造が許可されています。

どぶろく造り伝統守る 行方の春日神社

栃木県の羽黒山神社では、「梵天祭り」という孟宗竹(もうそうちく)と真竹をつないで色鮮やかな扇をつけた「梵天」を奉納するお祭りが催されます。梵天とは、帝釈天(たいしゃくてん)と共に仏法を守護する神のことで、宇宙の最高原理を神格化したもののことです。

梵天祭りで五穀豊穣願う 宇都宮
https://youtu.be/A_ObeeUCJw0

このように、神社などでは「勤労感謝」という意味よりも、かつての「収穫を祝う」ことに対しての催しものが多いですが、大手食品会社の工場などでは見学ツアーも開催されています。

JAL整備工場見学 ~SKY MUSEUM~

勤労感謝の日にあたる祝日は海外にも存在するの?

世界約80ヶ国には、「May Day(めーでー)」という「労働者を祝う日」が存在します。
しかし、11月23日ではなく5月1日と決まっているところも多く、またその名称も各国で変わってきます。

なぜ、海外では5月1日にあたることが多いのでしょうか?

この「May Day」の発祥はアメリカで、その当時は12時間~14時間の労働が当たり前でした。そのことから、度々労働者と雇い主の間で、論争が起きていたのです。
その後、労働者側が「8時間労働制請求」のストライキを起こしたのが、発祥とされています。

そのアメリカですが、実は5月1日を「May Day」と定めておりません。
先程お話したストライキを行った際に、「ヘイマーケット事件」とよばれる暴動が起き、死傷者が出てしまいました。その事件の発生により、5月1日を、とても「お祝いする日」とはできなかったのです。

変わりに、「Labor Day(レイバー・デー)」とよばれる祝日と、「Thanksgiving Day(サンクスギビング・デー)」という祝日が存在します。

「Labor Day」は9月の第1月曜日にある祝日で、「May Day」と同様の意味です。
パレードなどを行い「同業者・労働組合の団結精神」を示し、労働者とその家族を祝うことを目的としています。
9月になったのは、9月が夏の終わりであり、最後におもいきり楽しんでほしいという願いと、7月にある独立記念日と11月の感謝祭の中間点として、9月の休日を提唱したのが始まりとされています。

「Thanksgiving Day」は11月の第4木曜日にある祝日で、この日には家族が一同に集まり、「サンクスギビングディナー」という、七面鳥の丸焼きを主役に大きな食卓をみんなで囲みます。また、この日にも多くの都市でパレードが行われます。

まとめ

「勤労」とは賃金をもらって一定時間内に仕事することと言いましたが、その賃金をもらっている人を「支えている人」もいてこそ、私たちの普段の生活は成り立っています。
家庭内だけでなく、普段何気なく通っている経路、その中でも支えてくれている人たちは必ずいます。日頃からもそうですが、「勤労感謝の日」をふまえて、改めて自分の周りに感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。

浅葱 彰(あさぎ あきら)