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前書き

親しい人や大切な人に手紙やメールを送る時、その時の季節に合った「時候の挨拶」をするというのが、一般的なルールとなっています。時候の挨拶を入れることで、手紙やメールの始まりがずっと親しいものに感じることができます。

また、挨拶とともに相手のことを気遣うことができるのが時候の挨拶です。時候の挨拶などのきまりは、堅苦しいイメージかもしれません。

それでも、実際に貰う手紙に時候の挨拶が入っていると、その手紙の印象がとても穏やかなものになると思います。ぜひ手紙やメールに取り入れてゆきたいですね。

しかし、「時候の挨拶」と一言に言いましても、どの言葉がその時の季節に相応しいか、悩んでしまいうのではないでしょうか。

例えば、「春」の時候の挨拶。一言に春と言っても、春を表す言葉は様々です。その中で、どのように現在の季節を相手に伝わるように表現するかが、時候の挨拶のポイントとなってきます。

その中でも「葉桜」という言葉があります。皆さんは「葉桜」と聞いてどんなものをイメージしますか?

私は、桜の花が咲き終わった後の、葉だけになり落ち着いた桜の木が思い浮かびます。桜の花が華やかな桜の木もとっても素敵ですが、緑の葉に変わった桜の木も、私達の日常を優しく彩ってくれます。

皆さんの中にも、実際に桜が葉桜になった頃合いに、時候の挨拶として使おうと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、時候の挨拶は俳句と同様、その季節、月に応じた言葉が明確に決まっています。もし、大切な人に出す手紙やメールの挨拶から、季節を間違えてしまっては恥ずかしい思いをしてしまうのではないでしょうか。

手紙の冒頭に出てくる時候の挨拶ですから、始まりはきちんとしておきたいですね。

Point時候の挨拶は俳句と同様、その季節、月に応じた言葉が明確に決まっている。

それでは、季節の言葉「葉桜」が使える時期や、挨拶の例文についてご紹介していきます。

葉桜とは?

葉桜は、その名の通り花が咲いた状態ではなく、葉だけになった状態の桜のことです。

ただ単に「葉だけの桜」を葉桜というのではなく、「桜が咲いた後に出てくる桜の若葉」を葉桜と呼ぶそうです。桜の花も魅力的ですが、桜の花から葉に移り変わる様子も季節を感じる出来事の1つですよね。風にそよぐ新緑の桜は、新しい「始まり」を連想させてくれます。

Point「桜が咲いた後に出てくる桜の若葉」を葉桜と呼ぶ

葉桜を使う時期として適切なのはいつ?

桜という名がつきますし、「葉桜」という言葉を使う時期は「春」なのではないかと思う方も多いのではないでしょうか。

しかし、葉桜は一般的に「夏」の季語とされています

例えば、葉桜を使った俳句、『葉ざくらや奈良に二日の泊り客(与謝蕪村)』といったものがありますが、これは明確に夏の俳句とされています。立夏が5月のはじめとされているので、5月初旬が「葉桜」の使いどきなのではないでしょうか。

Point葉桜は一般的に「夏」の季語

また、一方で実際の桜の様子に沿わせても良いという意見もあります。きまりとはいえ、大切なのはこちらの季節の様子を相手に伝えることが大切ということで、4月に使っても良いのではないかという意見です。

桜は私たちに身近な木ですから、大体の人なら「葉桜」と聞いただけでなんとなく桜の花が咲いた後をイメージできると思います。

そんな日本の文化から、あまりきまりに凝り固まらなくても良いのではないか…そんな意見なのでしょうね。どちらを選ぶかはお任せしますが、大切なのは手紙やメールを送る相手に対する「思いやりのある挨拶」なのではないでしょうか。

葉桜を使った時候の挨拶例文集

ここからは具体的に「葉桜」という言葉を使った時候の挨拶の例文をご紹介します。

・葉桜の緑があざやかな季節となりました。

・いつの間にか葉桜の時期となりました。

・葉桜が美しい季節となりました。

・葉桜の季節となりました。

・葉桜に彩られた季節となりました。

・葉桜の新緑が目に眩しいこのごろ。

・葉桜のさやめきが清々しいこのごろ。

・葉桜の緑がさわやかなこのごろ。

・葉桜の萌える季節となりました。

・桜花から葉桜へと移るこのごろ。

いずれも、爽やかなイメージの時候の挨拶になりますね。「どんな」葉桜かを表すことで、より明確に桜の木をイメージすることができます。組み合わせに答えはありません。ここで少し凝ってみても面白いかもしれません。

このフレーズの後に、

・いかがお過ごしでしょうか。

・健やかにお過ごしのことと存じます。

・気持ち新たにご活躍のことと存じます。

・穏やかにお暮らしのことと存じます。

・元気にお過ごしと思います。

など、相手を気遣う文章を付けても良いですね。思いやりの暖かさを文章から感じることができると思います。

また、葉桜を使った挨拶の前に、

・桜花の盛りも過ぎ、

・春暖の候から、

・行く春を惜しむ間もなく

などを付けると、より季節の移り変わりを感じることができますね。

葉桜を使う時の注意点とは?

季節の言葉「葉桜」を使う際に注意したいことは、葉桜は決して「ただ葉の生えた状態の桜」を意味する語ではないということです。あくまで、「葉桜」は花が咲いた後の若葉を意味しております。そうなると自然と晩春から初夏にかけてと季節が限定されてきます。

一年中使える言葉ではないという点だけ注意したいですね。

Point「葉桜」は一年中使える言葉ではない

その他の時候の挨拶

葉桜の時期と同時期に使える時候の挨拶を紹介します。

・風薫る季節となりました。

・爽やかな初夏の風が心地よく感じられます。

・晩春の候、いかがお過ごしでしょうか。

・薫風の候となりました。

・新緑が目に鮮やかな季節となりました。

・5月の空が青く澄み渡っています。

・木々の緑が目に眩しいこのごろ。

他にも、残春の候や立夏の候といった表現もあります。言葉一つで、かっちりした感じにも、やわかな印象にも挨拶が変化しますね。相手や、シーンにより使い分けてみてください。

まとめ

葉桜の使い方については、

Point・葉桜は、花が咲いた後の桜の若葉という意味
・一般的には残春~初夏(4月~5月)の季節の言葉である

以上の2点を押さえていれば問題はないと思います。

しかし、葉桜という言葉ひとつでも多用な使い方、表現方法があるのはとても面白いことですね。日本語の無限の可能性と魅力を感じることができました。ビジネスシーンだけではなく、遠くに住む大切な家族や友人に、時候の挨拶を入れた手紙をぜひ出してみたいものです。