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まえがき

2月は、冬の厳しい寒さから段々と暖かくなり、春へと近づくような季節です。大きな気候の移り変わりの時期ですね。
そんな変化の月「2月」ですが、大切な相手に手紙やメールを送る時の「時候の挨拶」はどういったものを書けばよいでしょう?

冬は冬でも、とびきり寒いわけでもなく、春のようにぽかぽかと温かいわけでもない。
季節の言葉に何を使えばよいか迷ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回の記事では、そんな2月の時候の挨拶について詳しくご紹介します。
時候の挨拶の10の例文とその解説、そもそも時候の挨拶とは何なのか、時候の挨拶で注意しなければいけない点について等々…

日本の文化の1つである時候の挨拶について、知識を入れておきたいですよね。
手紙やメールを書き慣れていない方は勿論、自分で時候の挨拶を考えてみたい方も是非参考にご一読下さい。

時候の挨拶とは?


その時によっての季節の言葉を入れ、相手を気遣う挨拶、それが「時候の挨拶」です。
「拝啓」などの言葉は「頭語」と言われます。頭語は、手紙の一番最初に来る言葉なのですが、時候の挨拶はその頭語の後に続けて書きます。

手紙の冒頭の具体的な挨拶、とでも言いましょうか。

時候の挨拶には、季節の言葉を盛り込むのが決まりとなっています。決まり、と言いましてももっと簡単に考えても良いでしょう。

例えば、知人に道端でばったりと出会った祭に「こんにちは」といった挨拶の他に、「最近やっと暖かくなりましたね」等といった季節や天候の話題が自然と出てくるのが一般的です。

理由などといった小難しいこと抜きに、季節の話題や相手を気遣う言葉が出てくるのは、日本人に昔から根付いている習慣であり、文化の1つです。

それを手紙やメールに落とし込んだ形が、「時候の挨拶」になります。

Point

「時候の挨拶」とは「手紙の冒頭の具体的な挨拶」

2月に適した時候の挨拶とは?

それでは、2月の時候の挨拶の例をご紹介していきます。

2月は実際の所最も寒い月とされています。しかし、暦の上では節分、立春と続き、春が始まる月でもあります。
気候や情景の変化に注目して、寒い2月に心温まるような時候の挨拶をしたいですね。

1、梅の蕾のほころびに、表情も緩む今日このごろ。
2、冬将軍の過ぎるのを待ち遠しく思う日々。
3、降り積もる雪に、春を遠く感じる今日このごろ。
4、道に咲く寒牡丹に、春の息吹を感じる季節となりました。
5、雪解けを待たず顔を出すフキノトウに、大地の逞しさを感じます。
6、山裾では、鶯の声が聞こえる季節となりました。
7、暦の上では春というものの、厳寒の折でございます。
8、野草や枝の先に春の訪れを探してみるこのごろ。
9、節分の賑やかな声に季節の変わり目を感じます。
10、雪解けの水清く滴る季節となりました。

2月を表す言葉として、以下の様なものもあります。

・立春の候
・厳寒の候
・残寒の候
・残冬の候
・春寒の候
・晩冬の候
・梅花の候
・軽暖の候
・余寒の候
・早春の候

こうして言葉を並べてみると、2月が冬の終わりの月であるとともに、春が始まるような月であるということがよく分かりますね。

「早春の候となりましたが、いかがお過ごしでしょうか」といったようにな使い方もできます。
最初の2文字で全体の文章が引き締まりますね。

時候の挨拶の意味を解説!

ここからは、時候の挨拶10の例文の意味を解説していきます。

例に挙げたような、時候の挨拶の意味をすることで、より素敵な時候の挨拶を考えることが出来るのではないでしょうか。

1、梅の蕾のほころびに、表情も緩む今日このごろ。

2月から3月が開花時期です。この時候の挨拶では、梅の花ではなく蕾から花が開いていく様子を表現していますから、2月にぴったりと合いますね。

同時に「表情も緩む」という表現を用いています。読み手に朗らかな印象を与えることができる時候の挨拶なのではないでしょうか。

2、冬将軍の過ぎるのを待ち遠しく思う日々。

冬将軍は、「寒さが厳しい冬」を擬人化した表現です。まだ冬が過ぎ去ってない様子を表現できていますね。
この時候の挨拶では寒さについて触れていますから、「皆様お風邪などは召されずにお過ごしでしょうか」と、相手を気遣う言葉を添えると良いですね。

3、降り積もる雪に、春を遠く感じる今日このごろ。

非常にシンプルな表現の時候の挨拶です。見たままの情景を素直に表していますね。時候の挨拶を書く上でとても大事な感覚の1つです。
「皆様お変わりなくお過ごしでしょうか」と、相手の安否に思いを馳せても良いですね。

4、道に咲く寒牡丹に、春の息吹を感じる季節となりました。

寒牡丹1月から2月中旬にかけて咲き始める花です。ピンク色の重なる華やかな花びらが特徴です。
春という季節は、草木が伸びやかに芽吹く季節であります。そう考えると、寒牡丹は春をひと足早く知らせる便りのようなものと表現できますね。

花の咲く期間が長くても、その季節の特徴を表現できるような言葉さえ加えれば、2月だと季節を限定することができます。

5、雪解けを待たず顔を出すフキノトウに、大地の逞しさを感じます。

まだ雪の溶けない2月。上旬から中旬にかけて使用することが出来る挨拶ですね。フキノトウ2月に採ることが出来る山菜の1つです。雪がかぶっていたとしても、力強く成長するフキノトウ。

「貴社におきましてはますますご発展のことと存じます」と、相手に重ねて言葉を続けると良いでしょう。

6、山裾では、鶯の声が聞こえる季節となりました。

といえば「ホーホケキョ」という可愛らしい鳴き声が有名ですよね。鶯が鳴き始めるのは早春からということから、「春告鳥」(ハルツゲドリ)という名前も併せ持ちます。

「幸多き門出となりますようお祈り申し上げます」と相手を思いやる言葉を続けても良いですね。

7、暦の上では春というものの、厳寒の折でございます。

この挨拶の通り、2月は暦上春とされています。しかし、実のところまだまだ寒い季節ではあります。厳寒はその名の通り「寒さが厳しい様子」を、「時、季節」といった意味があります。
「厳寒の折」という表現だけでなく、「折」といった言葉を使った他の時候の挨拶にも挑戦したいところです。

8、野草や枝の先に春の訪れを探してみるこのごろ。

これも大変簡単で、情景がすぐ浮かび上がる時候の挨拶ではないでしょうか。歩きながら木々や野草に、蕾などの「春」を探している様子ですね。

なかなか微笑ましい時候の挨拶なのではないでしょうか。「皆様はお元気でお過ごしでしょうか」と続けても良いでしょう。

9、節分の賑やかな声に季節の変わり目を感じます。

節分には「各季節の始まりの日」という意味合いもありますが、一般的には特に「立春」(2月4日)を指すでしょう。
子供が豆まきをしたり、最近では恵方巻きを食べるような習慣も出てきました。

賑わう節分に重ねるように「貴社におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます」と続けるのはいかがでしょう。

10、雪解けの水清く滴る季節となりました。

2月は春の訪れとともに、冬が去ってゆく季節です。雪が溶けるという表現も2月ならではでしょう。
言葉の並びから、どこか涼しげで爽やかな印象を受け取ることができます。

「躍動的な季節に向け、ますますご多忙のことと存じます」と続けるのも、流れに沿っており、気持ちのよい文章となります。

NG例 -こんなミスには注意が必要-

季節の言葉には、使う時期が決まっているものもあります。
時候の挨拶がちぐはぐなものにならないように、言葉選びには注意していきたいですね。


例えば「立春」が一つの例です。2月4日頃を指しますので、それ以降には使わないようにしましょう。

また、「春とは名ばかり」という言葉があります。2月は暦上春とされていますが、まだまだ寒さが続くという意味で使う季節の言葉です。
これは立春の後に使って良いとされています。春は立春から始まるということですね。

「余寒」は、立春が過ぎても寒さが残る場合のみ使う言葉です。「春寒」も同様です。覚えておきたいですね。

また、私自身間違いそうになった言葉もご紹介します。「風花」という言葉です。
これは山から吹き下ろした風に乗って粉雪が舞い散ることを意味する言葉ですが、「初冬」に使われる言葉だそうです。
実際には晩冬の時期にも見られる現象だとは思いますが、言葉としては「初冬」のもの。

風花に限らず、時候の挨拶において同じような間違いをしてしまいがちな言葉が多々あると思います。手紙やメールは、大切な相手が時間を作って読んでもらうものですから、このようなミスは避けたいですね。

Point

季節の言葉を使う時期に気をつける

まとめ

いかがでしたでしょうか。2月は雪解けと春を迎える季節。
寒さに重ねて相手を気遣う時候の挨拶も、とても思いやりがありますし、春の訪れに喜びを重ねる時候の挨拶も、読み手に良い印象を与えることが出来るでしょう。

2月の時候の挨拶のポイントは「立春」です。立春の後、使うことが出来る言葉がぐっと増える印象でした。
とはいえ、そこまで気を重くもつ必要はありません。

気をつけるべきポイントさえ抑えれば、きっと素敵な時候の挨拶を書くことが出来るのではないでしょうか。